Rで基本統計量と決定木分析

内部勉強会の第2回目の内容です。
以下の内容とほぼ一緒ですが、勉強会のまとめとして管理しやすくなるように別記事として投稿しました。
2h0.hatenablog.jp

目標

  • 基本統計量の解説とRの環境構築
  • 分析手法の基礎的な知識を知る

プログラミング言語 R とは

R言語(あーるげんご)はオープンソースフリーソフトウェアの統計解析向けのプログラミング言語及びその開発実行環境である。ファイル名拡張子は.r, .R, .RData, .rds, .rda。

R言語ニュージーランドオークランド大学のRoss IhakaとRobert Clifford Gentlemanにより作られた。現在ではR Development Core Team[注 1] によりメンテナンスと拡張がなされている。

R言語ソースコードは主にC言語FORTRAN、そしてRによって開発された。

引用ソース: R言語 - Wikipedia


要するに統計に強い言語とのこと。

演習での実行環境は "R Studio" を利用していました。

 

以下、環境構築に参考したサイト。
qiita.com

基本統計量の復習

どちらかというと手を動かすことを目的としていたため、
割とすっ飛ばしてもいいとお聞きしました。

以下に、参考すると良い(?)記事を挙げます。
qiita.com

演習1  Rを用いて基本統計量を求める

まず、コンソールとは以下の画像のようにコマンドを実行、結果を確認する画面と捉えるといいです。

f:id:s2h0:20190414023912p:plain
RStudioのコンソール画面
RStudioのコンソールを利用して演習時間では以下の 1)~3) を求めました。

x = c(90,58,60,71,23,40)

y = c(100,28,50,32,41,76)


1)xとyの平均

2)xとyの最大値、最小値

3)xとyの最頻値

4)xとyの分散

5)xとyの標準偏差

以下、自分の解答です。
注意点として"#"が書かれている行はコメント・補足事項です。

準備段階として以下のコマンドを実行。
"x"は変数、"<-"は"="に近い変数に代入する演算子
"c()"は配列ベクトルを扱う際に用いるもの(語彙)*1

変数とは数字や文字列などの値を一つだけ保管する箱のような物で、配列とは値をいくつも保管することができます。値を保管すると何が幸せかと言うと、扱う値の変更や使い回し、更には管理が生の値そのままを使用するよりしやすくなります。("生の値"だとポインタとかと語弊が生まれそう)
また、変数も配列も言語特有の縛りを除けば、自分が好きな名前をつけることが可能です。

#x、yに対し配列としてそれぞれの値を格納。
x<-c(90,58,58,71,23,40)
y<-c(100,28,50,32,41,76)

1)xとyの平均

xave<-mean(x)
yave<-mean(y)

解答

# >は実際には入力せず、>の後から入力しています。コンソール内容のままの引用です。
> xave
[1] 56.66667
> yave
[1] 54.5

2)xとyの最大値、最小値

xmax<-max(x)
ymax<-max(y)
xmin<-min(x)
ymin<-min(y)

解答

> xmax
[1] 90
> ymax
[1] 100
> xmin
[1] 23
> ymin
[1] 28

3)xとyの最頻値

xmode<-table(x)
ymode<-table(y)

解答

> xmode
x
23 40 58 71 90 
 1  1  2  1  1 
> ymode
y
 28  32  41  50  76 100 
  1   1   1   1   1   1 

4)xとyの分散、5)xとyの標準偏差
の2問については演習内で行わなかったのですが、こちらの記事後半にほぼ回答なるものがありましたので、参考まで…初学者の方だと関数の概念の理解が難しいのかな?
qiita.com
rstudio-pubs-static.s3.amazonaws.com

データ分析手法

・回帰分析
→変数間の関係を、結果(目的変数)と要因(説明変数)とし、回帰式でモデル化すること
・決定木分析
→樹木状のモデルを使って構造の理解、その分析結果から新規データの分類の予測を行うもの
クラスター分析
→データ同士の類似度からデータをクラスター(集団)にまとめる分析方法

決定木分析の活用対象例

配布された資料に表にまとまっていたのですが、ざっくり説明すると
様々な業種・業態(金融、流通、小売、通信のサービス等々)で
データによる情報の把握や精度向上に役立てられているそうです。

演習2 決定木分析

今回の演習ではタイタニックのデータセットを使用して
タイタニック号で生き残るのは誰か」という予測を
決定木を用いて予測します。

ということで、用意されていたデータセットで決定木を構築し、描画された木より予測を立てました。

手順を挙げます。

決定木の構築(1)

  1. rpartおよびrpart.plotパッケージの導入
  2. データセットの読み込みとデータフレームへの変換→タイタニック号の乗船者のデータセットを読み込んで、rpartで扱える形に変換する。
  3. データセットの確認
# rpartおよびrpart.plotパッケージの導入
install.packages("rpart")
install.packages("rpart.plot")

# パッケージの適用
library(rpart)
library(rpart.plot)

# データセットの読み込みとデータフレームへの変換
TitanicData<-data.frame(Titanic)
# データセットの確認
> Titanic
, , Age = Child, Survived = No

      Sex
Class  Male Female
  1st     0      0
  2nd     0      0
  3rd    35     17
  Crew    0      0

, , Age = Adult, Survived = No

      Sex
Class  Male Female
  1st   118      4
  2nd   154     13
  3rd   387     89
  Crew  670      3

, , Age = Child, Survived = Yes

      Sex
Class  Male Female
  1st     5      1
  2nd    11     13
  3rd    13     14
  Crew    0      0

, , Age = Adult, Survived = Yes

      Sex
Class  Male Female
  1st    57    140
  2nd    14     80
  3rd    75     76
  Crew  192     20
# Freq は同じ属性を持つ人の数
> TitanicData
   Class    Sex   Age Survived Freq
1    1st   Male Child       No    0
2    2nd   Male Child       No    0
3    3rd   Male Child       No   35
4   Crew   Male Child       No    0
5    1st Female Child       No    0
6    2nd Female Child       No    0
7    3rd Female Child       No   17
8   Crew Female Child       No    0
9    1st   Male Adult       No  118
10   2nd   Male Adult       No  154
11   3rd   Male Adult       No  387
12  Crew   Male Adult       No  670
13   1st Female Adult       No    4
14   2nd Female Adult       No   13
15   3rd Female Adult       No   89
16  Crew Female Adult       No    3
17   1st   Male Child      Yes    5
18   2nd   Male Child      Yes   11
19   3rd   Male Child      Yes   13
20  Crew   Male Child      Yes    0
21   1st Female Child      Yes    1
22   2nd Female Child      Yes   13
23   3rd Female Child      Yes   14
24  Crew Female Child      Yes    0
25   1st   Male Adult      Yes   57
26   2nd   Male Adult      Yes   14
27   3rd   Male Adult      Yes   75
28  Crew   Male Adult      Yes  192
29   1st Female Adult      Yes  140
30   2nd Female Adult      Yes   80
31   3rd Female Adult      Yes   76
32  Crew Female Adult      Yes   20

決定木の構築(2)

4.決定木分析の実施
5.分析結果の確認
6.樹形図の描画

# 決定木の目的変数と説明変数を指定
# 目的変数「Survived」、説明変数「Class+Sex+Age」
titanic.rp<-rpart(Survived~Class+Sex+Age,weights=Freq,data=TitanicData,control=rpart.control(minsplit = 1))

# 樹形図のプロット
prp(titanic.rp,type=4,extra=1)

データセットの見方とかrpart、prpのパラメータの指定の仕方とか確認しないとだ。

以下の画像のような樹形図がRStudioの"Plots"タブに表示されます。

f:id:s2h0:20190414011418p:plain
titanic.plot

決定木分析の結果より予測できること(すごい大事)

ということで、決定木分析の結果より樹形図が完成されました。

この決定木は結果(目的変数)に対する要因(説明変数)の中でもより結果に結びつくものは上にプロットされるそうです。

また、ノード(図中の丸)内に示された左側の数字は非生存者、右側は生存者を表しています。子同士のノードの生存者、非生存者それぞれの合計は親ノードの生存者、非生存者に対応しています。
"Yes"、"No"は結果(この木の場合Survived)に対する値で、つまり非生存者に対し生存者は多いかどうかを表しています。

この樹形図により新たにわかるようになった情報として

  • 性別(Sex)が生存率に一番要因として関係し、女性は生存率高めで男性は低め
  • 男性の生存率は 年齢(Age) > フロア(Class)の順番、女性の生存率はフロアが樹形図に現れている通りにより関係がある
  • 男性の中でも大人(Adult)より子供(Child)、フロアは3階より1・2階が生存率が高い
  • 女性はフロアが3階より1・2階と添乗員(Crew)の方が生存率が高い

が挙げられます。

*1:配列とベクトルについて誤解していたため訂正※http://cse.naro.affrc.go.jp/takezawa/r-tips/r/22.htmlを参考